NICEROOMの奥田です。
「内見、夕方しか無理なんですけど」というご相談は、毎週のように届きます。出勤前に少し時間が取れるだけで、休みも決まった曜日ではない。そういう生活のリズムのほうに、部屋探しを合わせにいくにはどうすればいいか、というのが今回のテーマです。
「不動産屋さんって、こっちが起きてる時間にほとんど開いてないですよね」と言われることもよくあります。実際、来店が必要な工程だけを見れば数は多くないのですが、その少ない工程のために何往復もお店とのやり取りが発生してしまうと、それだけで疲れてしまいます。だからこそ、最初に段取りを決めておくことが大事だと感じています。
問い合わせ・内見・申込・審査・契約・鍵渡し、と工程を並べると身構えてしまいますが、実際に体を運ばないといけない場面はそう多くありません。どの工程を夕方枠に寄せて、どの工程をスマホで進められるのか。1週間の中での組み方を、当店で普段お伝えしている流れに沿って整理しました。
部屋探しの工程と、その場にいないといけない工程
部屋探しは、問い合わせ→条件整理→物件提案→内見→申込→審査→契約→鍵渡し→引越し、というのが大まかな流れです。このうち「その場にいないと進まない工程」と「電話やLINE、郵送で代わりが利くことが多い工程」、「スマホだけで完結する工程」に仕分けると、実際に外へ出る回数はかなり絞り込めます。
工程ごとに、どこまで体を運ぶ必要があるかをまとめると、こんな感じになります。
| 工程 | その場にいる必要 | 所要時間の目安 | 夜職の生活で入れやすい時間帯 |
|---|---|---|---|
| 問い合わせ | スマホで完結 | 数分程度 | 出勤前や休憩中でも |
| 条件のすり合わせ | スマホで完結 | 数往復のやり取りで数日かかることも | 営業後・就寝前 |
| 物件の候補出し | スマホで完結 | 反応から1〜2日程度が目安 | 休みの日の昼過ぎ |
| 内見 | 必要 | 1件30分〜1時間程度 | 出勤前の夕方枠 |
| 申込書の記入 | 代替できることが多い | 15分前後 | 内見時にまとめて、または後日オンラインでも |
| 審査(本人確認含む) | 代替できることが多い | 数日〜1週間程度が目安 | 出られる時間帯を先に伝えておく |
| 契約(重要事項説明・署名) | 代替できることが多い | 30分〜1時間程度 | 出勤前の夕方枠、または郵送でも |
| 初期費用の支払い | スマホで完結 | 数分 | 就寝前のスマホ枠 |
| 鍵渡し・入居 | 必要 | 数分〜15分程度 | 出勤前の夕方枠 |
表にすると工程数は多く見えますが、実際に費やす時間は工程ごとに小さいものがほとんどです。
体を動かす必要があるのは、内見と鍵渡しくらい、という感覚で構いません。契約も物件によっては郵送やオンラインで進められるため、「お店に行ったのは内見の日と鍵を受け取る日の2回だけだった」という方も珍しくありません。逆に言えば、それ以外のやり取りはLINEと電話のあいだで済ませられるということでもあります。
夜職の1週間に部屋探しをはめ込むと
工程の仕分けができたら、次は1週間のどこにはめ込むかです。考え方としては「出勤前の夕方枠」「休みの日の昼過ぎ枠」「営業後・就寝前のスマホ枠」の3つに振り分けるだけで、かなり動きやすくなります。ここで示す曜日や時間帯はあくまで一例です。不動産屋の定休日や営業時間は店舗によって違いますし、内見できる時間も物件によって差があるので、当店の場合も含めて事前にLINEで確認していただくのが一番確実です。
大事なのは、曜日そのものよりも「自分がどのタイミングで頭が働いていて、どのタイミングで体が空いているか」を先に把握しておくことです。これが分かっていると、店側に希望を伝えるときの一言も具体的になり、結果として段取り全体が早く進みます。
- 内見・申込・契約体を運ぶ工程はできるだけこの枠にまとめる
- 鍵の手配・書類の準備店側が先回りして進めておく
- 候補の比較・条件整理まとまった時間で腰を据えて
- 物件への確認・空室状況の更新返信を待つ間に店側で動いておく
- 返信・書類の写真送付スマホひとつで完結
出勤前の夕方枠でできること
出勤前に1〜2時間ほど確保できると、内見を1〜2件まとめて回り、気に入った部屋があればその場で申込書を書くところまで進められることが多いです。契約についても、書類さえそろっていれば30分〜1時間程度で終わるのが一般的です。ただし鍵の受け取りなど店側の準備が必要な工程もあるので、当日いきなりではなく、前日までに希望を伝えておくと動きやすくなります。
この枠は移動時間も含めると意外とかつかつになりがちなので、内見の間に立ち寄るお店や、移動の手段まで軽く決めておくと余裕を持って動けます。無理に3件、4件と詰め込むより、比較しやすい2件程度に絞るほうが、結果として決めるまでのスピードは早くなることが多いです。
営業後・就寝前のスマホ枠でできること
仕事を終えてからの時間は、条件のすり合わせや、送られてきた候補への返信、必要書類の写真を撮って送る、といった作業に向いています。深夜に送っていただいても、こちらの返信は翌営業時間になるのが基本なので、思いついたタイミングでそのまま送っていただいて大丈夫です。
ここで一気に決めようとしなくてもいいと考えています。気になった物件だけ「いいね」代わりに一言残しておいて、まとまった返信は休みの日にする、という分け方をしている方も多いです。細切れの時間でも、少しずつ進んでいれば十分です。
内見の予約の取り方と、夕方枠で回るコツ
内見は、空室の鍵を管理会社や現地のキーボックスから手配する必要があるため、「今から見に行きたい」という当日の飛び込みには対応しづらいことがあります。前日までに気になる物件を2〜3件くらいに絞っておいていただけると、1回の来店でまとめて回れるように順番を組みやすくなります。
候補を絞る段階では、写真や間取り図だけで悩みすぎず、気になったものはとりあえず候補に入れておくくらいで構いません。実際に回ってみると、写真では良く見えても住所や周辺の雰囲気で印象が変わることもよくあるので、迷ったときは絞りすぎないのがコツです。
鍵が管理会社の窓口に預けてある物件だと、夕方には窓口が閉まってしまうことがあります。そのため夕方に内見するときは、昼のうちに私たちが鍵を取りに行っておくんです。前日までに言ってもらえるとこの段取りが組めますが、当日の「今から行けますか」だと間に合わないことがあります。現地にキーボックスがある物件なら、当日でも行けることが多いです。
内見そのものも、必ずしも現地に足を運ぶ方法だけではありません。
オンライン内見・動画内見の使いどころ
候補が多いときや、頻繁に来店できないときは、担当者がスマホで案内するオンライン内見や、事前に撮影された動画を一次的な絞り込みに使う方法もあります。ただしすべてが分かるわけではないので、得意不得意を知っておくと使い分けがしやすくなります。
| 内見の方法 | 向いている場面 | 分かること | 分からないこと | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 実際に行く | 最終的な決め手がほしいとき | 広さ感・日当たり・音・におい・共用部の様子まで | 昼に行った場合、夜の周りの雰囲気 | 鍵の手配があるため、予約は前日までが安心です |
| オンライン内見 | 一次的な絞り込み、頻繁に来店できないとき | 間取りや設備のおおまかな配置、その場での質問 | 音・におい・共用部や周辺の雰囲気、電波によっては見づらさも | カメラが向いていない場所は映らないので、気になる箇所はその都度リクエストを |
| 動画のみ | 候補を大量に見比べたいとき | 部屋全体のざっくりした雰囲気 | 音・におい・共用部の使われ方・周辺の夜の様子・採光の季節差 | 最終判断の前には、実際に行くかオンラインで補うのがおすすめです |
内見の希望日と「動ける時間帯」だけ先に送ってもらえれば、その枠で回れる物件をこちらで組んでおきます。起きてすぐの時間でも大丈夫です。
申込から契約までの間に起きること
申込のあとは、保証会社による審査、契約日の調整と進みます。この間に本人確認の電話が入ったり、追加の書類をお願いすることがあります。審査にかかる日数は物件や保証会社によって幅があるので、詳しくは別記事に譲りますが、ここでは全体の流れだけ押さえておきます。
この期間は、自分から動く工程がほとんどないぶん、逆に「今どうなってるんだろう」と気になりやすい時期でもあります。進捗が気になるときは、遠慮せずLINEで様子を聞いていただいて構いません。
この中で特につまずきやすいのが、本人確認の電話です。
審査中は、保証会社から本人確認の電話がかかってくることがあります。何度かけても出られないと、そこで審査が止まってしまうことがあるので、知らない番号でも出勤中でなければ一度出ていただくのが安心です。
実際、この電話に出られなかったことが理由で審査が遅れるケースは、決して珍しくありません。
保証会社の本人確認電話に出られなかった、というのは審査が遅れる原因として日常的によく見かけます。職業や収入以前に、まず電話がつながらないと話が進みません。申込のときに「出られる時間帯」を一言添えていただければ、その時間を保証会社に伝えられるので、進みがぐっとスムーズになります。
連絡が取りやすい時間帯を最初に伝えておく
「この時間なら出られる」をひとこと伝えておくだけで、審査の進み方はかなり変わります。実際のやり取りはこんな感じです。
申込ありがとうございます!このあと保証会社から確認の電話がいくんですけど、出やすい時間ってありますか?
昼過ぎまで寝てることが多いんで、15時以降なら出れます
了解です、保証会社に伝えておきますね。知らない番号からかかってくると思うので、その時間だけ気にしておいてください
わかりました!出れなかったら落ちるんかと思ってました
来店しなくても進められる手続き
重要事項説明をオンラインで受けられる「IT重説」や、契約書に電子的に署名する「電子契約」が使える物件もあります。使えれば契約のために来店する必要がなくなり、郵送でのやり取りだけで完結することもあります。ただし対応しているかどうかは物件や管理会社によって差があるので、希望する場合は申込の時点で伝えておくのが確実です。
郵送での契約になる場合は、書類のやり取りに数日ぶんの日数がかかる点も見込んでおくと安心です。入居日が決まっている場合は、逆算していつまでに返送が必要かを、担当者に確認しておくとやり取りがスムーズです。
| 手続き | 来店なしで進められるか | 使える条件 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 重要事項説明 | 代替できることが多い | IT重説に対応した物件・管理会社であること | 対応の可否は物件・管理会社によります。事前確認が必要です |
| 契約書への署名 | 代替できることが多い | 電子契約に対応した管理会社であること | 対応していない場合は郵送での署名・捺印になります。物件・管理会社によります |
| 初期費用の支払い | スマホで完結 | 振込やオンライン決済に対応していること | 支払い方法・期日は契約書の記載に従ってください。物件・管理会社によります |
| 鍵の受け取り | 代替できることも | 郵送での鍵渡しに対応した物件であること | 設備確認を兼ねたい場合は来店がおすすめです。物件・管理会社によります |
電子契約が使えるかどうかは、管理会社側の設定で決まることがほとんどで、仲介である当店だけでは選べません。「オンラインで契約したい」というご希望はもちろんお伺いしますが、対応の可否は物件ごとに違います。だからこそ、最初に「来店なしで進めたい」と伝えていただければ、対応できる物件から優先して候補を組めます。
来店の日に持っていくもの・準備しておくもの
来店が必要な日は、事前に持ち物をそろえておくと1回の用件で済みます。細かい必要書類は物件によって差がありますが、最低限ここだけ押さえておけば大きな抜けは防げます。
特に身分証と収入の分かるものは、忘れると出直しになりやすい2点です。出勤前の限られた時間に来ていただくことが多いからこそ、前日のうちにカバンへ入れておくくらいの気持ちでいると安心です。
- 身分証運転免許証やマイナンバーカードなど、顔写真付きのもの
- 収入の分かるもの給与明細や課税証明書など、用意できる範囲で構いません
- 印鑑契約書への押印で使うことが多いです
- 初期費用の支払い方法の確認振込かオンライン決済か、期日と合わせて事前に確認を
- 緊急連絡先になってもらう人の電話番号ご家族や知人など、事前にひとこと伝えておくとスムーズです
- 現在の住まいの契約書解約予告の時期を確認する際に使うことがあります
- スマホの充電その場で書類を撮影したり、電子契約の操作をすることがあります
内見の日に部屋のどこを見ておけばいいかは、内見チェックリストの記事にまとめています。
よくある質問
- 内見は夜でもできますか?
-
空室は電気が止まっていることが多く、日が落ちると室内が暗くて、広さや汚れがほとんど見えません。鍵が管理会社の窓口にある物件は、夜は鍵自体を出せないこともあります。部屋の中は出勤前の夕方までに見て、夜の雰囲気は帰り道にご自身で建物の前を通ってみる、という分け方がおすすめです。
- 休みが平日しかありません。不動産屋は開いていますか?
-
定休日や営業時間は不動産屋によって、また同じ会社でも店舗によって違います。当店の場合も含めて、確実なのは事前にLINEで確認していただくことです。ご希望の曜日・時間帯を伝えていただければ、動ける日を一緒に探せます。
- 審査中に電話に出られませんでした。落ちますか?
-
出られなかっただけで審査に落ちるとは限りません。まずは折り返しの連絡を試みていただき、あわせて出られる時間帯を担当者に伝え直していただくと、話がスムーズに進みます。
- 契約日に行けなくなりました。日程はずらせますか?
-
多くの場合、日程の変更は可能です。ただし入居日や初期費用の支払い期日との兼ね合いがあるので、分かった時点でできるだけ早めにご連絡いただけると調整しやすくなります。
- 全部LINEで済ませることはできますか?
-
内見と鍵の受け取りを除けば、かなり近づけることができます。ただし来店が必要な工程が残るかどうかは物件によって違うので、最初に「どこまでLINEで進められそうか」を聞いていただくのが確実です。完全にゼロにはできなくても、来店の回数を最小限にすることは十分に目指せます。
「この工程は来なくても大丈夫?」は物件ごとに答えが変わるので、気になる物件があればURLと一緒に聞いてください。営業時間外に届いたぶんは翌営業日にまとめて返します。
まとめ
内見や鍵渡しのように体を動かす工程は、出勤前の夕方枠に寄せる。条件のすり合わせや書類の準備といったスマホで済む工程は、営業後や休みの日に回す。そして審査や契約のやり取りでは、連絡が取れる時間帯を先に伝えておく。この3つを意識するだけで、生活リズムを崩さずに部屋探しを進めることができます。
部屋探しを始めるタイミングが決まっていなくても、「だいたい何月ごろ、こんな時間帯なら動ける」だけ送っておいてもらえると、こちらも段取りを組みやすくなります。


