賃貸申込書の職業欄はどう書く?水商売・キャバ嬢・ホストの記入ガイド

NICEROOM店長の岸田です。内見が終わって「ここでいいな」と思ったあと、渡された申込書を前にペンが止まる。そんな相談を、この仕事をしていると何度も受けます。「キャバクラで働いています」とそのまま書いていいのか、「サービス業」くらいにぼかしたほうがいいのか、勤務先の欄には店名を書くのか運営会社の名前を書くのか。迷う気持ちはよく分かります。

この記事では、申込書の各欄が何のために確認されているのかを整理したうえで、職業欄・勤務先欄・収入欄それぞれで、事実の範囲に沿いながら保証会社に伝わりやすい書き方を選ぶための考え方をまとめました。いちばん伝えたいのは、嘘を書かないことと、どの書き方が合うかは物件や保証会社によって変わるので、申込前に不動産屋と一緒に埋めるのがいちばん確実だということです。少し長くなりますが、目次から気になるところだけ読んでもらっても大丈夫です。

目次

申込書で聞かれる項目と、それぞれが見られている理由

申込書を開くと、職業欄のほかにも、勤務先名・勤務先住所・勤務先電話番号・業種・雇用形態・年収・勤続年数・緊急連絡先など、いくつもの欄が並んでいます。ここでまず知っておいてほしいのは、保証会社は職業欄の一言だけを見て判断しているわけではないということです。それぞれの欄に書いてある内容が矛盾していないかを、セットで見ています。

つまり、職業欄だけをどう書くか悩むより、申込書全体としてつじつまが合っているかのほうが大事だということです。まずは、各欄が何のために設けられているのかを簡単に整理しておきます。

項目何のために見られるか書くときの考え方
職業仕事の性質や収入の傾向をおおまかに把握するため事実の範囲で、他の欄と矛盾しない表現を選ぶ
勤務先名在籍確認や、給与明細などの書類との照合に使うため給与明細・雇用契約書に記載された名義に合わせる
勤務先電話番号在籍確認の連絡先として使うため実際につながる番号を書く(本人携帯とは別の欄)
雇用形態雇用契約か業務委託かなど、収入の性質を見るため職業欄・業種欄と内容がずれないようにする
年収家賃を継続して払える収入かどうかを見るため目安を書き、裏付け書類で補えるようにしておく
勤続年数収入がどれくらい継続しているかを見るため短い場合は前職の欄や他の実績で補足できることもある
緊急連絡先本人と連絡が取れない場合の連絡手段として実際に連絡が取れる家族・知人の番号を書く

どの欄も単体で合否のラインが決まっているわけではなく、全体としてどう読めるかで見られています。

申込書は「正直に書いた上で、伝わる書き方を選ぶ」書類です

嘘を書かないことと、分かりやすく書くことは両立できます。同じ事実でも、どの言葉で表現するかによって、保証会社側の受け取りやすさは変わります。この記事では、そのための考え方を欄ごとに見ていきます。

職業欄・業種欄・雇用形態欄の違い

申込書の形式は管理会社によって違いますが、多いのは「職業」を会社員・自営業・パート/アルバイトなどから選び、「業種」に飲食・サービスなどお店の種類を書く形です。雇用形態(正社員・契約社員・業務委託など)を別の欄で聞かれることもあります。

この3つを混同すると、矛盾が起きやすくなります。たとえば職業欄に「会社員」と書きながら、雇用形態欄で「自営業」を選んでしまうようなケースです。どちらか一方が事実と違っていると、担当者は確認のために連絡を入れることになり、審査そのものが止まってしまう原因になります。3つの欄がそれぞれ何を聞いているのかを意識して、同じ事実を指す言葉で揃えることが大切です。

職業欄・業種欄の書き方と、保証会社からの見え方

夜のお店で働いている方の場合、職業欄はお店との契約の形で決まります。アルバイトとして雇われているなら「パート・アルバイト」、運営会社の社員なら「会社員」、業務委託で自分で確定申告をしているなら「自営業」です。お店の種類は業種欄に書きます。どれが正解というものではなく、自分の働き方の実態と一致しているかどうかが基準になります。

書き方事実と一致する条件保証会社との相性注意点
職業:パート・アルバイトお店とアルバイトとして雇用契約を結んでいる場合○給与明細が出ていれば、それが一番の裏付けになる
職業:会社員運営会社と雇用契約(正社員・契約社員など)がある場合○勤務先欄は雇用契約書の会社名で揃える
職業:自営業店舗と業務委託契約で、確定申告をしている場合△収入証明の準備がより重要になりやすい
業種:飲食・サービスお店の業態を一般的な言葉で書く場合○職業欄ではなく業種欄に書く言葉
業種:「キャバクラ」「ホストクラブ」とそのまま常に事実と一致する△受け取り方は物件・保証会社によって分かれるため、事前確認が安心

表内の「相性」は、あくまで書き方の伝わりやすさの目安であり、この表記なら審査に通る・落ちるという意味ではありません。実際にどう受け取られるかは、その物件に指定されている保証会社の基準によって変わります。

事実と違う書き方をしてはいけない理由

「会社員のほうが通りやすそうだから」といった理由で、雇用契約がないのに「会社員」と書いてしまうのは避けたほうがいいです。申込時点では気づかれなくても、給与明細や源泉徴収票などの書類を出す場面で食い違いが表面化することがあります。

事実と違う内容は書かない

申込内容が事実と違うことが後から分かった場合、契約解除の事由になり得ることが一般的な賃貸借契約では想定されています。今回の入居だけでなく、次の部屋探しや更新にも影響することがあるため、当座をしのぐための書き方は避けてください。

「ぼかす」と「嘘」の境界線

「ぼかして書く」ことと「嘘を書く」ことは違います。実態に合う範囲で一般的な言葉を選ぶのはぼかし方の一つですが、契約の形そのものを取り違えるのは嘘になります。実際の相談では、こんなやり取りをすることが多いです。

職業のとこって、キャバクラって正直に書かないとダメですか?

職業欄は働き方を選ぶだけなので大丈夫ですよ。お店から給与明細ってもらってます?

明細はないです。確定申告は去年から自分でしてます

それなら「自営業」で合ってます。確定申告書の控え、あとで写真で送ってもらえますか?

自分の契約がどちらに当たるのか分かりにくい場合は、雇用契約書や店側からの説明を確認するか、申込前に不動産屋に聞いてしまうのが早いです。

勤務先欄:店名を書くか、運営会社名を書くか

勤務先欄でよく迷うのが、店舗名を書くか、運営している法人名を書くかという点です。夜のお店では、店舗の名前と登記上の運営会社名が違うケースがめずらしくありません。どちらを書くかによって、審査側の受け取り方が変わることもあります。

基本的な考え方は、給与明細や雇用契約書に記載されている名義に合わせることです。書類上の名前と申込書の勤務先名が違っていると、それだけで確認の連絡が入り、審査が一段階余計に時間を要することがあります。

不動産屋の内側の視点

保証会社が勤務先欄で見ているのは、店名そのものというより「給与明細や在籍証明と名前が一致しているか」です。店名と運営会社名が食い違っていると、そこで確認の手間が増えて止まりやすくなります。迷ったら、給与明細に書いてある通りの名前を勤務先欄に書くのが一番シンプルです。

勤務先電話番号と在籍確認の実際

勤務先電話番号の欄を見て、「店に電話がかかってきて、働いていることが周りにバレるのでは」と不安になる方もいます。ですが、この欄に書いた番号に必ず電話が行くとは限らず、確認の方法は保証会社や物件によって異なります。大まかな流れは次のようになります。

①申込申込書と必要書類を不動産屋へ提出
→
②保証会社へ不動産屋・管理会社から保証会社へ申込内容を送付
→
③確認保証会社が必要に応じて在籍確認や本人確認を実施
→
④結果連絡結果が不動産屋を通じて案内される

本人と直接連絡を取るための「本人携帯番号」の欄と、在籍を確認するための「勤務先電話番号」の欄は、目的が違います。混同して同じ番号を書いてしまわないよう、それぞれの欄の意味を確認しながら記入してください。確認の方法について不安がある場合は、申込前に不動産屋へ聞いておくと安心です。

収入欄・勤続年数欄:日払い・歩合・確定申告なしの場合

年収欄も、水商売やナイトワークの方が迷いやすい項目です。月給制であれば直近の月収を12倍する目安で考えやすいですが、日払いや歩合制の場合は月によって金額の振れ幅が大きく、どの数字を基準にすればいいのか分かりにくくなります。

収入の形態年収欄の考え方用意しやすい裏付け書類の例
月給制(雇用契約)直近の月収を目安に年間換算して考えることが多いです給与明細、雇用契約書
日払い・週払い変動があるため、直近数か月の平均から目安を出すことが多いです勤務先が発行する在籍証明、通帳の入金履歴
歩合制月による振れ幅が大きい場合は、平均的な月をベースに考えることが多いです確定申告書、通帳の入金履歴
業務委託・自営業経費を差し引いた後の所得を基準に考えるのが一般的です確定申告書(控え)、開業届

どの書類が必要かは物件や保証会社によって細かく変わるため、収入証明そのものの詳細については、別記事の「収入証明書がいらない賃貸物件をお探しのホスト・水商売の方へ」も参考にしてください。ここでは、申込書に何を「書く」かと、それとは別に何を「用意する」かを分けて整理しておきます。

申込書に書けるもの

実際の収入の目安、勤務先の名義、雇用形態、勤続年数など、事実として答えられる内容です。分からない部分は空欄にせず、概算である旨を伝えながら記入します。

別途、用意できるもの

給与明細、確定申告書、在籍証明、通帳の入金履歴など、申込書の内容を裏付ける書類です。求められたときにすぐ出せるよう準備しておくと、確認がスムーズに進みやすくなります。

副業・掛け持ちがある場合の書き方

昼の仕事と夜の仕事を掛け持ちしている場合、どちらを職業欄・勤務先欄に書くべきか悩む方も多いです。基本的な考え方としては、収入の中心になっているほう、または裏付け書類を出しやすいほうを軸にすることが多いですが、これは物件や保証会社によっても扱いが変わります。

両方を書く場合は、職業欄・勤務先欄・年収欄の内容が矛盾しないように整理しておく必要があります。どちらを主として書くか、両方書くべきかどうかは一律に決められるものではないので、申込前に相談してから決めるのが安心です。

書く前に不動産屋へ相談したほうがいい理由

ここまで見てきたように、職業欄・勤務先欄・収入欄の書き方は、どれも「絶対にこう書けばいい」という一つの正解があるわけではありません。保証会社は物件ごとに指定されていて、どの書き方が伝わりやすいかは保証会社によって変わります。だからこそ、申込書を書く前の段階で、その物件がどの保証会社を使っているかを踏まえて相談してもらうのが確実です。

不動産屋の内側の視点

物件によっては使える保証会社が複数あって、どこに審査を出すかをこちらで選べることがあります。お仕事の内容や収入の形を先に聞いておけば、合っていそうなほうから出せるので、申込書を書く前にひと声かけてもらえると助かります。

実際の流れとしては、おおよそ次のような順番で進めることになります。

  1. 相談働き方・収入の状況を伝えて、書き方の方向性を確認する
  2. 物件選定保証会社の傾向も踏まえて、候補の物件を絞る
  3. 記入物件に合わせた書き方で申込書を記入する
  4. 提出不動産屋を通じて申込書と必要書類を提出する

順番を逆にして、先に申込書を書き切ってから相談に来ると、書き直しが必要になることもあります。できれば記入前の段階で一度声をかけてもらえると、手戻りが少なく済みます。

「この物件はどの保証会社? どう書けば通りやすい?」は、物件が決まっていなくても聞いてもらって大丈夫です。申込書を書く前の段階でLINEをいただくのが、いちばん手戻りが少ないです。

申込書を出す前の最終チェック

職業欄や収入欄の書き方に気を取られがちですが、実際に審査が止まる原因は、記入ミスや欄の空白といった単純なところにあることも多いです。提出前に、次の項目を確認しておいてください。

  • 勤務先名の一致記入した勤務先名が、給与明細・雇用契約書の名義と一致しているか
  • 電話番号の正確さ勤務先電話番号・本人携帯番号を、間違いなく書けているか
  • 勤務先住所勤務先住所欄が空欄になっていないか
  • 欄同士の整合職業欄と雇用形態欄の内容が矛盾していないか
  • 押印・署名押印や署名を忘れていないか
  • 緊急連絡先緊急連絡先の電話番号が、実際につながる番号か
  • 事前確認提出前に一度、不動産屋に見てもらったか

細かいことのように見えますが、この段階でのつまずきが一番もったいないので、時間をかけてでも一つずつ見直しておくことをおすすめします。

不動産屋の内側の視点

実際に審査が止まる原因で多いのは、職業そのものより「連絡がつかない」「書類が足りない」というケースです。電話番号の書き間違いや、追加書類の提出が遅れることで審査が滞ることは日常的に起きています。職業欄の書き方以上に、基本的な連絡先と書類の準備を整えておくことが大切です。

よくある質問

ここまでの内容と重なる部分もありますが、よく聞かれる質問を改めてまとめておきます。

業種欄に「キャバクラ」とそのまま書いても大丈夫ですか?

事実なので、書くこと自体に問題はありません。ただ、同じ内容でも受け取り方は物件や保証会社によって差があります。どの書き方が一番伝わりやすいかは、申込む物件が決まった段階で相談してもらえれば、一緒に選べます。

勤務先の電話番号は店の番号を書かないといけませんか?

欄の趣旨は在籍確認のための連絡先です。実際に店へ電話が行くとは限らず、確認の方法は保証会社や物件によって違います。本人と直接連絡を取るための携帯番号の欄は別にあるので、そちらと混同しないようにしてください。

入店して間もなくて勤続年数がほぼゼロです。正直に書くと落ちますか?

勤続年数が短いこと自体は珍しくありません。前職を書く欄がある申込書では、そこで補える場合もありますし、収入の見込みや他の欄とのバランスで見られることもあります。正直に書いたうえで、気になる場合は事前に相談してください。

昼の仕事と掛け持ちしています。どちらを書けばいいですか?

基本的には、収入の中心になっているほう、または裏付け書類を出しやすいほうを軸に考えることが多いです。両方を書く場合は、内容が矛盾しないように整理しておく必要があります。ケースによって判断が変わるので、記入前に相談してもらうのが確実です。

一度書いた申込書を出したあとで直せますか?

提出前であれば訂正できます。提出後に間違いに気づいた場合は、そのままにせず担当者へ連絡してください。差し替えの案内をしてもらえるのが一般的です。黙って放置しないほうがいいです。

ここに載せきれなかった「自分の場合はどう書く?」は、雇用形態と収入の形を送ってもらえれば個別にお答えします。返信は営業時間内になりますが、夜中に送っておいてもらって構いません。

まとめ

申込書の職業欄・勤務先欄・収入欄で迷ったときに大事にしてほしいのは、3つです。まず、嘘を書かないこと。次に、事実の範囲の中で保証会社に伝わりやすい書き方を選ぶこと。そして、どの書き方が合うかは物件や保証会社によって変わるので、書く前に不動産屋と一緒に確認しておくことです。

一人で申込書と向き合っていると、どうしても迷いが大きくなります。書き方に正解を求めすぎず、事実を整理して、伝え方の部分だけ相談してもらえれば十分です。

申込書を目の前にして手が止まっているなら、その写真を送ってもらうだけでも大丈夫です。書ける欄と相談したほうがいい欄を一緒に仕分けします。

関連記事

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

NICEROOMの編集メンバーが不定期で更新します。不動産界隈の最新ニュース・物件更新情報・NICEROOMからのお知らせやお部屋探しに役立つ情報をわかりやすく紹介します!

「売却」「保有」「見直し」でお悩みのオーナー様へ

TEL:06-6484-6644

営業時間:9:00 - 19:00(定休日:水曜日)