NICEROOMの栂尾です。
うちに相談に来る水商売の方が、よく最初に言うのが
「水商売だから、この物件厳しいですよね・・?」
という一言です。
結論、そんなことありません!
この記事では、審査で不利になる本当の原因から、保証会社の選び方、収入証明の代わりになる書類、在籍確認の実情、代理契約という選択肢まで、僕が現場で実際にやっていることをそのまま書きます。読み終わる頃には、次に何を準備すればいいかがハッキリするはずです。
水商売が審査で不利になる「本当の原因」3つ
水商売だから一律で落ちる、ということはありません。落ちる理由は、だいたいこの3つに集約されます。
原因①:収入が不安定に見える
審査で一番見られるのは「家賃を払い続けられるか」です。
水商売は歩合・日払いが多いので、毎月の収入にバラつきがある。保証会社からすると「安定していない=リスクが高い」と判断されやすいんです。
ただ、これは「見え方」の問題です。実際には月50万以上稼いでいる方も多いのに、それを証明する書類がないから落ちている。もったいない話です。
もうひとつ関係してくるのが、申し込む家賃の水準です。一般的に、無理のない家賃は手取り月収の25〜30%程度が目安と言われています。収入の波が大きい水商売の場合、調子のいい月を基準に背伸びした家賃で申し込むと、そこで引っかかることがあります。平均的な月を基準に、無理のない家賃で出すだけで通りやすさは変わってきます。
原因②:在籍確認が取りにくい
保証会社によっては、勤務先に電話をかけて在籍確認をします。
でも水商売のお店は昼間に電話が繋がらないことが多い。連絡がつかないと「在籍確認NG」で落とされることがあります。
原因③:不動産屋がそもそも対応を嫌がる
これ、言いにくいですけど現実です。
水商売のお客様の審査は、通常より手間がかかります。書類の準備、保証会社との交渉、代理契約の調整。面倒だからやりたくないという不動産屋は実際にいます。
最初の問い合わせの時点で対応が冷たかったら、それはもう別の不動産屋に行ったほうがいいです。
水商売でも部屋を借りるための5つの対策
ここからは、実際にお客様を案内するときに僕がやっている対策を、順番に紹介します。
対策①:独立系の保証会社が使える物件を選ぶ
保証会社には信販系・LICC系・独立系の3種類がありますが、水商売の方に向いているのは独立系です。
信販系はクレジットカードの信用情報を見るので、過去にカードの滞納があると一発アウト。独立系は独自の審査基準で判断するので、職業や信用情報に関係なく通りやすい傾向があります。
僕がお客様を案内するときは、最初に「どの保証会社が使えるか」を確認してから物件を探します。気に入った物件が信販系しか使えない場合は、正直にそのリスクを伝えます。3タイプの違いを一枚にまとめると、こうなります。
| タイプ | 主に見られるポイント | 水商売の通りやすさ | 使える収入証明の例 |
|---|---|---|---|
| 信販系 | クレジットカード・ローンの信用情報 | △ 事故情報があると厳しい | 源泉徴収票、確定申告の控え |
| LICC系 | 家賃の支払い・滞納履歴 | ○ 滞納歴がなければ通りやすい | 給与明細、通帳のコピー |
| 独立系 | 独自基準(職業や信用情報に依存しにくい) | ◎ 水商売でも通りやすい | 確定申告の控え、通帳のコピー、在籍証明書 |
ざっくり言うと、水商売の方が狙うべきは独立系です。ここを最初から選べているかどうかで、結果はまるで変わります。
対策②:通帳のコピーで収入を証明する
源泉徴収票がなくても、通帳に毎月の入金記録があれば収入の証明になります。
ポイントは「直近3ヶ月分」を見せること。手渡しでもらっている場合は、もらったらすぐ自分の口座に入金する習慣をつけてください。これだけで審査のハードルが一気に下がります。
対策③:在籍証明書をお店に書いてもらう
お店の名前・住所・電話番号と、「〇〇さんは当店に在籍しています」という一筆があれば、在籍証明として使えます。
お店によっては書いてくれないこともあるので、その場合は名刺や給与明細で代用できるか、僕らのほうで保証会社に交渉します。審査前に、次のうち用意できるものをチェックしてみてください。数が揃うほど、通りやすさは上がります。
- 確定申告書の控え(自分で申告している場合)
- 給与明細(お店のハンコがあれば手書きでも可な場合あり)
- 通帳のコピー(直近3ヶ月分など、毎月の入金がわかるもの)
- 在籍証明書(お店に書いてもらう書類)
- 身分証(運転免許証・マイナンバーカードなど)
- 今の部屋の家賃を滞納なく払ってきた記録(在住中の方)
どれが使えるかは保証会社によって違います。だから先に保証会社を決めてから、必要な書類を案内するのが正しい順番です。逆をやると、集めた書類がムダになって二度手間になります。
▼ 書類が揃うか不安な方は、LINEで一度チェックしてもらってください
「この書類で通るかな」「代理契約ってうちの親でもいける?」——そういう段階でかまいません。今の状況を教えてもらえれば、何を準備すればいいか具体的にお返しします。
対策④:代理契約を使う
本人名義で通らない場合の最終手段として、親御さんや親族に契約者になってもらう方法があります。
「親に仕事のことを話していない」という方も多いですが、代理契約は契約者の収入で審査するので、親御さんが会社員や公務員など安定した収入があれば、通る可能性はぐっと高くなります。
ただし、これは全物件で対応しているわけではないので、事前確認が必要です。「うちは代理契約できません」という不動産屋もあるので、最初に「代理契約はできますか」と聞いてください。
親御さんへの頼み方ですが、「保証人になって」ではなく「契約者になって」と頼むのがポイントです。保証人は本人が払えなくなったときに肩代わりする立場ですが、代理契約は親御さんが契約者になって、実際の家賃はあなたが払う形。親御さんに金銭的な負担がかからないことを、最初にハッキリ伝えると話が早いです。仕事の話をどこまでするかはあなた次第で構いません。「都心で働いていて、契約だけ名義を貸してほしい」という伝え方で進めている方も多いです。
対策⑤:水商売に強い不動産屋を選ぶ
結局これが一番大事です。
水商売の審査を何件も通してきた不動産屋は、どの保証会社が通りやすいか、どの書類が必要かを最初からわかっています。お客様が自分で全部調べる必要はないです。
逆に、不動産屋に「水商売の方の審査は厳しいんですよね…」と言われたら、その不動産屋は経験がないということ。別を当たってください。見分け方の目安をまとめておきます。
- 最初の電話やLINEで、職業を伝えても対応が変わらないか
- 「どの保証会社が使えるか」を物件探しの最初の段階で確認してくれるか
- 代理契約に対応しているか、その場ですぐ答えられるか
- 在籍確認で何を聞かれるか、事前に説明してくれるか
この4つに答えられない、もしくは歯切れが悪い不動産屋は、水商売の審査に慣れていない可能性が高いです。
僕が最近対応したケース
先月、キャバクラ勤務の20代女性のお客様が来られました。他の不動産屋で2回審査に落ちた、という状態で。
話を聞いてみると、2回とも信販系の保証会社で審査していました。過去にクレジットカードの支払いが遅れたことがあったそうで、そりゃ落ちるよなと。
僕は独立系の保証会社が使える物件に切り替えて、通帳のコピーと在籍証明書を用意してもらいました。結果、3日で審査通過。
本人も「こんなにあっさり通るんですか?」って驚いていましたが、ちゃんと準備すれば通るものは通ります。
業態・時期で通りやすさは変わる?
「自分の場合はどうなの?」というのが一番気になるところだと思うので、正直にお話しします。
業態で違う?──変わりますが「無理」ではない
正直、業態によって通しやすさは変わります。でも「この業態だから無理」ということはありません。理由は、ここまで話してきた保証会社選びと書類の準備でカバーできるからです。
キャバクラ・ラウンジ勤務の場合。
お店が法人でお給料も振込なら、在籍証明や給与明細が揃いやすく、比較的準備しやすい部類です。
個人契約や日払いが中心の場合。
通帳のコピーで「ならすとこれくらい入っている」を見せられると強いです。勤続が短いと少し慎重に見られるので、そのぶん独立系の保証会社と無理のない家賃で調整します。
手渡し中心で書類が残りにくいお店の場合。
正直、ここが一番ハードルは上がります。在籍証明も出しづらいことがあるからです。でも通らないわけではありません。うちでも普通に決まっています。ポイントは独立系の保証会社に絞ることと、受け取った収入をすぐ口座に入れて記録を残すこと。この2つで状況はかなり変わります。
急がないなら、時期を選ぶだけで有利になる
引っ越しを急がないなら、6〜8月か10〜12月が狙い目です。1〜3月は転勤・入学で申し込みが集中して、保証会社の審査も物件の空きもタイトになるからです。
繁忙期はとにかく全体が取り合いになります。いい物件はすぐ埋まるし、大家さん側も選べる立場なので、審査のハードルが上がりがち。逆に閑散期は、大家さんも「早く決まってほしい」ので、多少の交渉に応じてくれることもあります。「この物件がどうしても」という事情がないなら、時期をずらすだけで通りやすさも条件も良くなります。
審査の電話(在籍確認)で、実際に何を聞かれるのか
「職場に電話が来たらどうしよう」——相談で本当によく聞かれる不安です。ここは知っておくだけで気持ちが楽になるので、実務のところまで正直に話します。
まず、電話が来るかどうかは保証会社によります。独立系は本人の携帯に確認の電話が入るだけで済むことが多く、在籍確認まで踏み込まないケースも珍しくありません。信販系・LICC系だと、勤務先に在籍確認の電話が入ることがあります。
電話で聞かれる中身はシンプルです。多くの場合、担当者は保証会社名や不動産会社名を名乗らず、個人名で「〇〇さんはいらっしゃいますか」と在籍を確認するだけ。年収や勤務内容を根掘り葉掘り聞かれることは、まずありません。お店側は「はい、在籍しています」と答えれば、それで終わりです。
だから事前準備は、お店に「この番号から、私宛に電話が来るかもしれません」と一声かけておくだけで十分です。出勤前のスタッフや店長に伝えておけば、当日スムーズに対応してもらえます。「店長に頼みにくい」というお店もあると思うので、その場合は在籍確認が入りにくい独立系の保証会社を最初から選ぶ、という組み立て方もあります。どのやり方が現実的かは、状況を聞けば一緒に決められます。
よくある質問
相談でよく聞かれることに、本音で答えます。
Q. 水商売でも賃貸は本当に借りられますか?
A. 借りられます。落ちる原因の多くは本人ではなく、不動産屋が保証会社を選び間違えているだけです。独立系の保証会社と正しい書類の準備で、他で断られた方も通っています。
Q. 保証会社の審査で、お店に在籍確認の電話は来ますか?
A. 保証会社によります。独立系は本人の携帯への確認だけで済むことも多く、信販系・LICC系は在籍確認が入ることがあります。事前に「この番号から電話が来るかも」とお店に伝えておくと安心です。
Q. 源泉徴収票がなくても審査は通りますか?
A. 通ります。通帳のコピー(直近3ヶ月分など、毎月の入金がわかるもの)があれば収入の証明として使えます。手渡しでもらっている場合は、受け取ったらすぐ口座に入金する習慣をつけてください。
Q. 一度審査に落ちた物件に、もう一度申し込むことはできますか?
A. 同じ保証会社では基本的に難しいです。ただし別の保証会社が使える物件であれば再チャレンジできます。「他で落ちた」という方の多くは、保証会社を変えることで通っています。
Q. 親に内緒で代理契約はできますか?
A. 契約者になる親御さんには、収入で審査するという性質上、事情を伝える必要があります。ただ、仕事の詳細まで説明する義務はありません。「契約だけ名義を貸してほしい」という伝え方で進めている方も多いです。
Q. 家賃はいくらくらいまでなら審査に通りやすいですか?
A. 目安は手取り月収の25〜30%程度と言われています。水商売は月ごとの収入の波が大きいので、調子のいい月ではなく平均的な月を基準に、無理のない家賃で申し込むのがポイントです。
▼ あなたのケースが通るか、LINEで正直にお答えします
「自分の業態でいける?」「この家賃は高すぎ?」——一問一答でかまいません。ごまかさず、通るか通らないかを正直にお伝えします。
相談は早いほうがいい
引っ越したい時期が決まっているなら、早めに相談してください。水商売の方の審査は、書類の準備に少し時間がかかることがあります。「来月には引っ越したい」だと選べる物件が限られる場合もあるので、1ヶ月半〜2ヶ月前に動くのがベストです。
うちは心斎橋のあたりで、水商売のお客様のお部屋探しをずっとやってきました。どの保証会社が通りやすいか、どの書類が効くか——そういう肌感覚は、場数のぶんだけ貯まっています。
LINEで「水商売なんですけど部屋探せますか?」と一言送ってくれれば、まず何が必要かをお伝えします。売り込みはしません。まずは今の状況を聞かせてください。


